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成年後見人とは、判断能力が衰えたことにより、ご自身でお金などの財産の管理、処分が難しくなってきた方を財産管理の面からサポートさせていたく法定代理人のことを言います。成年後見人は法定代理人ですので、家庭裁判所が選任し、選任された後も家庭裁判所が監督も行います。また、成年後見人と言ってもご本人の判断能力によって、成年後見人、保佐人、補助人になります。それぞれ代理人として行えることなどに違いがあります。成年後見人が代理できる行為が多く、保佐人、補助人になるにつれて代理できる行為が少なくなり、ご本人で行っていただくことが多くなります。
成年後見人は、ご本人の法定代理人ですのでご本人に代わって、財産の管理、処分や契約などを行うことができます。
ご本人名義の不動産(土地・建物)については、毎年、固定資産税がかかります。不動産のある市町村から4月、5月ころにご本人あてに納付書が届きます。この納付書は、市町村に届け出ることによって、送付先を変更することができます。これは成年後見人あてでなくても大丈夫な市町村が多いです。
しかし、不動産を処分したいというときには、ご本人の意思能力が十分でなければ手続きをすることはできません。こうした場合には、成年後見人を選任しておけば、ご本人の代わって手続きをすることが可能となります。ご
また、ご本人が住居として使用していたマイホームであれば、後見人が売却する場合には、ご親族の方の同意が必要であったり、家庭裁判所の許可も必要になります。
ご本人としては、住んでいたマイホームに戻れると思うことは、大切なことであり、心理面でも大きな影響があるため、家庭裁判所の許可という制度を設けています。
預金の管理、医療費、施設費、税金などの支払い、年金の収入などのお金の管理は、成年後見人が行います。成年後見人は、1年に一度家庭裁判所に1年間の収入支出を報告し、事務が適正に行われているか監督しています。
また、リーガルサポートの会員であれば、家庭裁判所の監督とは別にリーガルサポートへの6カ月に一度報告し、会計処理が適正に行われているか監督されております。
ご本人が意思能力が衰えてしまうと、施設の入所契約などを行うことが難しくなってきますので、契約条項などの細かなところに誤りはないかは、後見人が確認し契約手続きを代わりにさせていただきます。
また、ご本人が契約していたクレジットカード、携帯電話の解約なども代わりに手続きさせていただきます。
亡くなった方の相続人の一人が、意思能力に衰えがありご自身で判断できないため、成年後見人の選任の必要が生じている場合には、成年後見人が選任されるまで相続の手続きが行えなくなります。
相続人に成年後見人が選任されれば、ご本人に代わって、相続人のみなさんと遺産分割協議をしたり、相続手続きをすることが可能となります。
ただし、成年後見人としては、ご本人の法定代理人であるので、原則的に法定相続分は、ご本人のために遺産として確保しなければなりませんので、ご注意ください。
後見人は、ご本人の法定代理人になりますが、すべてのことができるわけではありません。ご本人ができることは、ご本人が行っていただければよいと思います。ただ、法律上ご本人ができないこともありますが、ご本人のみができることもあります。そうしたことは、法定代理人である成年後見人でも行うことができません。
法律的には、一身専属権といい「その人だからできること」は、法定代理人といえども行うことはできません。解りやすい例でいえば、婚姻することなどの身分行為、あるいは、遺言をすることなどがあります。
後見人は、ご本人に代わって契約行為、お金の管理など財産的な行為を行うことを目的としております。そのため、病院へ通院するための同行、介助行為を目的として同行などは行うことはできません。ただ、業務としてご本人と一緒にいる場合に、危ない時などに介助が必要なときには介助はいたします。一人の人として行うことは当然に行います。
手術をする際には、現在、病院からさまざまな同意が求められることが多いと思います。
後見人は、ご本人に手術が必要な場合でも、手術を行うことに同意することはできません。あくまでも親族の方にお願いすることになります。また、医療同意に近いものとして、終末医療に関する同意、あるいは、身体拘束に関する同意なども同様にご親族の方にお願いすることになります。
病院に入院した際には、病院から身元引受人も決めるよう求められます。後見人は身元引受人になることもできません。しかし、医療費の支払いなど身元引受人とほぼ同じことは後見人としてしっかり対応いたしますが、病院のいう身元引受のうち、行うことができないのは、ご本人が亡くなった場合のご遺体の引き取り行為です。これは、ご親族にお願いをすることになります。
成年後見制度を利用するにあたっては、いくつか知っておかなければならないことがあります。後から知らなかったとしても、もう、取り返しがつかなくなりますので確認をしておきましょう。
成年後見制度は、ご本人のための制度になります。ご本人たのめに後見制度が必要があるという状況にあり、家庭裁判所へ後見人の選任の申立てを行った後は、選任の申立ては、原則的には取り下げることはできません。ご本人に後見制度が必要ということに変わりがない中で取り下げる理由がないからだと言われております。
また、家庭裁判所に親族を後見人として申立てをしたが、司法書士などの専門職が選任された場合など、その後見人に納得がいかないという理由で後見の申立てを取り下げることはできません。
後見人が選任されると現在の制度では、①ご本人が回復される(後見人が不要になる)、②ご本人が亡くなられる以外では、後見制度は終わることはありまん。
後見人選任当初は、預金を解約したい、遺産分割協議ができないなどさまざまな事情があり、後見人の選任を希望され、無事に後見人が選任され問題解決したとしても、その後も後見人の職務は続きます。
ときどきあるのが、ご本人名義の不動産が売却できないので、売却するために後見人を選任した場合でも、後見人の職務は、不動産を売却した後も、続くことになります。ご注意ください。
後見人の選任の申立ての書類には、後見人の候補者を記載することができます。ただ、誰を後見人にするかは家庭裁判所が決めることになります。ご親族を後見人候補者として記載しても、私ども専門職が選任されることもあります。また、私ども司法書士を候補者として記載しても、弁護士が選任されることがありますので、ご理解をお願いします。
ただし、私などのようにリーガルサポートに所属している会員を後見人候補者として記載した場合には、事案にもよりますが、そのまま選任される可能性は高くなります。あくまでも可能性の問題で、決定権は家庭裁判所にあります。
このように、意思能力が衰えてお困りの方、お悩みの方など、あるいは、もっと詳しく知りたい方などは、当事務所までご相談ください。専門家が、丁寧にご説明のうえ、解決のお手伝いをさせていただきます。お気軽にお問合せ、ご相談ください。
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